「愛犬の熱中症・暑さ対策」に関するアンケート結果
熱中症は人間だけでなく犬にも起こる病気です。愛犬の暑さ対策にエアコンを使用している飼い主は161人と最多でしたが、留守中に愛犬だけで停電が起きた場合の対策は8割以上がしていないという結果に。
今年は非常に暑い日が続きますね。梅雨明けも史上最速のようです。皆さんはペットたちの熱中症に関する情報を正しくお持ちですか?
株式会社PLAN-Bが運営をするINUNAVI(いぬなび)(https://inunavi.plan-b.co.jp/)は全国の10代~60代の全国の犬の飼い主さん323人を対象に「愛犬の熱中症・暑さ対策」に関するアンケート調査を実施しました。
調査結果まとめ
・愛犬の熱中症・暑さ対策は「気をつけている」59.1%「かなり気をつけている」34.4%と、9割以上の飼い主が何らかの暑さ対策を行っている。
・愛犬の熱中症・暑さ対策で多いのは「エアコン使用」161人だが、場合によっては逆に熱中症になる恐れのある対策方法をしている飼い主も見られた。
・留守中に愛犬だけでもエアコンをつけている飼い主は63.8%と気をつけている割合が多いわりには少ない結果に。室内飼いで「何もしていない」飼い主は1.5%いた。
・愛犬が熱中症になったことが「ある」と回答した飼い主は8.4%だが、コメントからはそもそも熱中症の症状を知らない飼い主もいることが浮き彫りになった。
・犬の熱中症の対処法を知っている飼い主は10.2%と少なく、多くの飼い主は対処法を知らなかった。
熱中症が起こる時期は「夏」や「6~9月」と思う飼い主さんが213人で最多!
・夏、初夏から秋まで、猛暑、6月~9月:213人
・暑いとき、湿度が高すぎる・低すぎる:137人
・炎天下、蒸し暑い中の散歩や屋外にずっといる:39人
・空調管理のない室内、締め切った室内、直射日光が当たるところ:39人
・水分が取れないとき:7人
・車の中:4人
・寝ているとき:3人
・気温が25度以上:2人
【一件回答】
・8月のアスファルトの照り返しがきつい時期
・シャワー後
・条件が重なればいつでも起こり得る
・疲れすぎているとき
・飼い主の仕事中
・35度以上の真夏日
・地面との距離が近い時
・室温23度以上
・真冬暖房を効かせすぎていても起こる
・季節関係なく犬の体型や体質による
・運動時
熱中症が起こる時期のイメージで最も多い回答は「夏、初夏から秋まで、猛暑、6月~9月」213人でした。
夏から秋にかけて熱中症は多く見られるため、当然と言えば当然の結果でしょう。
しかし、「条件が重なればいつでも起こり得る」という回答もあるように、熱中症は一年を通して気をつけなければいけない病気で、夏だけに起こるものではありません。
夏になると毎年熱中症で搬送された人のニュースが連日報道されることから、熱中症=夏というイメージが強いことも背景にあると考えられます。
愛犬の熱中症。暑さ対策をしている飼い主さんは93.5%、対策方法はエアコンが最多
愛犬の熱中症・暑さ対策はしてる
・気をつけている:59.1%(191人)
・かなり気をつけている:34.4%(111人)
・あまり気にしたことはない:6.2%(20人)
・気にしたことはない :0.3%(1人)
愛犬の熱中対策をしているかの質問で最も多い回答は「気をつけている」59.1%でした。
「かなり気をつけている」と回答した飼い主さん34.4%と合わせると、9割以上の飼い主さんは愛犬の熱中症対策をしているようです。
近年はペットも家族という考えが浸透し、愛犬の健康を考える飼い主さんも格段に増えたことから、犬の熱中症に対する意識も高まっていることがうかがえる結果となったのではないでしょうか。
愛犬の熱中症・暑さ対策は「エアコン使用」161人「こまめな水分補給」122人という結果に
愛犬にどんな熱中症・暑さ対策をしてる?
・エアコン使用:161人
・こまめな水分補給、冷たい水や氷を準備:122人
・ペット用の冷却マットやプレートを使用:98人
・外気が高い日中は外に出さない、アスファルトの暑さを確かめる:88人
・クールネックや冷感ウェア、シューズなどを使用:34人
・直射日光が当たらないように工夫する、打ち水をする:31人
・扇風機やサーキュレーターを使用:31人
・サマーカットにする:20人
・窓を開けたり換気扇を回したりして風通しをよくする:17人
・濡れたタオルなどで体を冷やす、水浴びをさせる:16人
・ペットボトルを凍らしたものや保冷剤をそばに置く:14人
・家の中でも涼しい場所に移動させる:12人
・フードやおやつなどを工夫する:11人
・犬が涼しい場所に自由に行き来できるようにする:6人
・室内の温度や湿度をこまめにチェック:5人
・保冷剤を扇風機の前に置く(冷風扇):4人
・車内に残さない:4人
・愛犬の様子をこまめに観察する:3人
・人間と同じような対策をする:2人
・お散歩で無理をさせない、日陰を歩く:2人
・洋服を着させない:1人
・部屋のカーペットを外す:1人
愛犬の暑さ対策で最も多い回答は「エアコン使用」161人でした。
エアコンは最も簡単で効率的な暑さ対策のアイテムであり、暑い時期になるとテレビなどでもエアコンの使用を促していることも影響しているのかもしれません。
しかし、状況や状態はわかりませんが、「冷たい水」や「サマーカット」など、誤った方法で行っていれば犬の健康を害する暑さ対策もあげられているのが気になります。
冷たい水は散歩から戻ったときや、暑そうにしている時に少量を与える分には体温を下げる効果が期待できますが、冷たい水を与え過ぎれば下痢や嘔吐を引き起こしたり、体調を崩してしまうことになるほか、老犬には与えないほうがいいものです。
また、犬のサマーカットは皮膚病のある犬や老犬では必要となることもありますが、基本的には暑さ対策になりません。
皮膚を守る被毛がなくなってしまうことで逆に熱中症を引き起こしてまう可能性もあるため、過剰なサマーカットには注意が必要です。
回答ではどんな与え方やサマーカットなのかがないため推測でしかありませんが、どんな対策方法が適しているのかまでは詳しく浸透していないのかもしれません。
留守中もエアコンをつけっぱなしにしている飼い主さんは63.8%と最多!
夏場など留守中に愛犬だけでもエアコンはつけてる?
・エアコンをつけっぱなし:63.8%(206人)
・タイマーでエアコンをつけている:14.6%(47人)
・扇風機をつけている:7.7%(25人)
・窓を開けている:5.6%(18人)
・何もしていない:1.5%(5人)
・愛犬は屋外:6.8%(22人)
留守中のエアコン使用で最も多い回答は、「エアコンをつけっぱなし」63.8%でした。
しかし、留守中は「扇風機をつけている」7.7%や「何もしていない」1.5%という飼い主さんも。扇風機だけの使用は犬にとってあまり冷感効果はなく、特に閉め切った室内では熱風が循環されることになるため熱中症のリスクが懸念されます。
もちろん、住んでる地域や家の造りによっては夏でもエアコンが必要ないこともありますが、近年は地球温暖化やヒートアイランド現象などによって気温の高さが毎年のように更新されているため、油断せずに暑さ対策を行うことが大切です。
今年は電気代が値上がりしたことや経済産業省の節電要請によって、エアコンの使用を控える家庭も出てくることが予想されますが、愛犬が熱中症で命を落としては元も子もないため、エアコンと暑さ対策を上手に併用して留守中も快適にすごせるように配慮してもらいたいものです。
実際に愛犬が熱中症になったことのある飼い主さんは8.4%も!
愛犬が熱中症になったことはある?
・ない:91.6%(296人)
・ある:8.4%(27人)
愛犬が熱中症になったことが「ある」と回答した飼い主さんは8.4%でした。
全体の1割弱の結果となりましたが、約10頭に1頭が熱中症になったことがあるというのは決して少なくない数字なのではないでしょうか。
実際のエピソードからは熱中症になっている犬はもっと多いことがうかがえる!
今回のアンケートでは、「夏バテや熱中症などのエピソードがあれば教えてください」としてエピソードを教えてもらいました。
【熱中症になったことが「ある」と回答】
「色んな対策をして夏は過ごしていましたが、最近の急な猛暑の日に窓を開けていましたが、急にぐったりとしてしまい、慌てて涼しい部屋で寝かせてあげたら元気になりました。病院に行くと軽い熱中症と診断されました」(女性 / 20代)
「当時16歳の愛犬は寝たきりで動くことができませんでした。5月で暑くないからとエアコンはつけておらず、仕事に行っている間に熱中症になってしまったようです。のけぞったり手足を突っ張らせるなどの症状が出て、その後はてんかんや腎不全になってしまいました。寝たきりということも考え、もっと水分や室温に気をつけてあげていればと後悔しています」(女性 / 40代)
「熱中症に気を付けて、エアコンは付けたまま外出したが、光が入り外が見えた方が良いと思って、カーテンを開けたままにしてしまった。そのため、窓際で寝ていたのか、陽が当たり続けてしまい、結果熱中症になってしまった」(女性 / 30代)
「散歩はいつも通り行ったが、お風呂場に入り込んでしまい、ドアが閉まってしまった為に、暴れて熱中症に。窓は空いていたが、風も無かったのと、湿気、閉じ込められた焦りで泡を吹いて倒れてしまった。すぐに病院に行くと熱中症と診断され、そのまま入院となった」(女性 / 40代)
「残暑の厳しい9月半ばに朝からぐったりしていて食事も食べず病院に連れて行きました。思えば、前の日も夜まで暑い日であまり水も飲まずに家の中で走り回っていたのが原因だったと思います」(男性 / 40代)
【熱中症になったことは「ない」と回答】
「車の長時間移動の際に助手席で日当たりのよいところにいた愛犬が夜ぐったりしてしまったことがあります。長時間移動で水分補給もできていなかったので軽い夏バテになってしまったので、以後車での移動でも空調や直射日光だけでなく水分補給にも気を使っています」(女性 / 30代)
「熱中症ではないですが、夏に散歩の帰宅後にペットがグタっとしてしまった事があります」(男性 / 40代)
「夏キャンプに連れて行った際に息が荒くなり日陰の土の上でぐったりしてた」(女性 / 30代)
「日中の暑い時間帯に散歩をしてしまい、帰宅後ぐったりしてしまった」(女性 / 40代)
「真夏に大きな公園に行き、元気に走り回っていたのですが途中ぐったりしご飯を食べなくなりました」(女性 / 20代)
急な「ぐったり」は熱中症の症状ですが、夏バテだと思っている飼い主さんも多く見られました。
愛犬が熱中症のなったことが「ある」と回答した飼い主さんは1割弱の結果でしたが、実際はもう少し多くの犬が熱中症になっていたと推測できます。
熱中症と夏バテは、症状はもちろん、急激に起こるか、数日から数週間かけてゆっくり影響が出てくるなどの違いがあり、夏バテだと思って油断してしまうのは危険なので注意しましょう。
犬の熱中症の対処法を知っている飼い主さんは10.2%と少ない結果に!
犬が熱中症になったときの対処法を知ってる?
・あまり知らない:41.2%(133人)
・なんとなく知っている:31.6%(102人)
・知らない:17.0%(55人)
・知っている:10.2%(33人)
犬が熱中症になったときの対処法で最も多い回答は「あまり知らない」41.2%でした。
「知っている」と回答した飼い主さんが10.2%にとどまることから、多くの飼い主さんが犬の熱中症の対処法を知らないようです。
犬が熱中症になってしまったときは早急に適切な対処が必要となってきますが、熱中症の応急処置等対処に関する情報は自分で調べなければわからないといったことが背景にあるのかもしれません。
熱中症は時間と共に悪化して命に係わることもあるものなので、犬の飼い主さんに対処法を認知してもらうための情報発信が求められるのではないでしょうか。
留守中に停電になってしまったときの愛犬の暑さ対策をしている飼い主さんは20.4%と少数!
留守中に停電になってしまったときの愛犬の暑さ対策はしてる?
・しようと思うが何をしたらいいかわからない:44.6%(144人)
・していない:35.0%(113人)
・している:20.4%(66人)
留守中に停電になってしまったときの暑さ対策で最も多い回答は「しようと思うが何をしたらいいかわからない」44.6%でした。
「していない」と回答した飼い主さん35.0%と合わせると、約8割の飼い主さんは停電時の暑さ対策ができていないようです。
飼い主さんが自宅にいるときであれば対処することも可能ですが、夏場の閉め切った室内の温度は30℃や40℃、日の当たる場所では50℃近くになることもあるため、十分な対策が必要です。
これは犬に限らず小さな子供や動けない高齢者にも当てはまることで、熱中症に特に注意しなければいけない時期は停電が起こりやすい時期でもあるため、国や医師会などがコマーシャルなどで大々的に停電時の対策法を紹介してほしいものですね。
犬の飼い主さんが使用している熱中症・暑さ対策グッズはコレ!
熱中症・暑さ対策グッズまとめ
・冷感マットや冷感ベッド、冷感毛布、冷感クッション:183人
・ネッククーラー、ネックリング、ネックバンダナ:59人
・エアコン、扇風機などの空調(散歩中のハンディファン含む):49人
・凍らせたペットボトルや保冷剤:32人
・冷感ウェア:28人
・ひんやりするタオル:13人
・水のあげ方を工夫する(氷、大容量・給水器):10人
・水を携帯できるグッズ:9人
・冷たいおやつ:9人
・プール:3人
・犬用の経口補水液:2人
・使用していない:34人
【1件回答】
・冷却スプレー
・フードを高栄養価なものに変える
・日よけのグッズ
・哺乳瓶型の水をあげるものをゲージにつけています
・霧吹きで水をかける
・犬小屋付近の地面の温度が高くても大丈夫なように、芝を植えている
・犬小屋に窓を付けて、夏場は網戸にしている
・犬小屋を置いています
・大きめの日傘を差して犬も日陰になるようにしている
熱中症・暑さ対策に使用しているグッズの最も多い回答は「冷感マットや冷感ベッド、冷感毛布、冷感クッション」183人でした。
犬が使用する身近なものに冷感素材のものを取り入れている飼い主さんが多いようです。
また、「使用していない」と回答した飼い主さんが34人見られましたが、室内飼いであっても屋外飼いであっても何らかの暑さ対策グッズは必要で、室内飼いであれば特に停電時に何も体を冷やすものがないことは危険と言えるでしょう。
犬の飼い主さんが熱中症・暑さ対策に欲しいグッズは「犬の体温が一目でわかるデバイス」「体感温度を感知して冷風が出る装置」
【フードや飲み物】
・犬用のスポーツドリンクや経口補水液
・犬が積極的に飲んでくれる水分
・お腹を壊さない冷たい飲み物
・暑さ対策ができるおやつやフード
・いろいろな味など美味しい水分補給用のおやつ
【ウェアや身に付ける小物】
・耐熱性能が良い犬用シューズ
・犬用の空調服
・長時間持つ冷却ウェアやネッククーラー(現状の市販品はすぐにぬるくなる)
・散歩のときにずり落ちないネッククーラー
・急速に体温が下がる服(散歩から帰って来た時に着せたい)
・凍らせても硬くならず水が垂れない冷感シャツかタオル
・冷感素材のハーネス
・夏でもかけやすいサングラスやゴーグルなど
・うまくフィットするサンバイザー
・犬専用の日傘
【住環境に関するグッズ】
・空調管理ができるケージ(犬サイズの空調空間が作れるもの、節電目的)
・羽なしやケージ・キャリー・カートにかけられる犬専用の扇風機
・体感温度を感知して冷風が出る装置
・冷たさが長持ちする冷感マットや冷感シート、ベッド
・温度調節のできるクールカーペットみたいなもの
・体温が上がったなど、健康状態を感知するマット等
・犬のいたずらに耐える保冷剤や冷感マット
・保冷効果のある給水器
・ミストファン
・犬が不快に感じるのを教えてくれる、湿度計
【身の回りのケアグッズ】
・クールタイプの体拭きやタオル
・犬用の冷却スプレー
・噛んで遊べる冷たいおもちゃ(冷やして再利用)
・炎天下の散歩のため、肉球を保護するもの
・ひんやりするブラシ
・犬用の熱冷まし
【その他】
・犬用の暑さ対策やおすすめグッズをまとめた冊子
・犬用の折りたたみテント
・電気がなくても使えるグッズ(災害時などにも活用できるもの)
・停電でも使えるミニク―ラ―
・日除けグッズ
・車載用ペットクーラー
・散歩する時に熱を反射してブロックするようなグッズ
・変化に敏感でグッズに嫌がる犬でも使えるような暑さ対策グッズ
・夏の散歩時に愛犬が外で歩くとき温度によって色が変わる何か
・犬の体温が一目でわかるデバイス
ありそうでなさそうなものや、販売されているけれど高額なものなど、さまざまなグッズがあげられていました。
「犬の体温が一目でわかるデバイス」「体感温度を感知して冷風が出る装置」など、開発すれば需要が見込めるものもあるほか、
「犬は足裏と舌でしか 体温を放熱しないそうなのでこの部分を研究検証を重ねていただき出来た商品があれば欲しいと思います」(男性 / 50代 )
と言ったコメントもあり、ぜひメーカーさんにも考えてもらいたいものですね。
まとめ
・熱中症・暑さ対策に気をつけている飼い主は多いが方法を知らない人もいる
・停電時の暑さ対策をしていない飼い主が多い
・熱中症の症状や応急処置の方法が浸透していない
・熱中症になったことのある犬は多いと推測できる
熱中症は発症すれば時間と共に悪化し、何もせずに放置していると命を落とすこともある怖い病気です。
合併症を引き起こしたり後遺症を残すこともあるため、発症してしまったときは早急に対処してあげる必要があります。
そうならないためにも、暑さ対策を万全にして愛犬の健康を守ってあげてほしいものです。
この記事について
調査概要
アンケート内容:愛犬の熱中症・暑さ対策に関するアンケート
調査方法:インターネット調査
対象者:10代~60代の全国の犬の飼い主さん323人(女性245人 / 78人)
実施期間:20220年6月9日~6月12日
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